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2006年12月18日  なぜ若者はバカなことをするのか? [医学・科学関連]

コーネル大学のプレスリリースより。9月に発刊された雑誌、「公的関心における心理的科学」誌に掲載された論文、「思春期の行動決断にみる危険と合理」の紹介。

論文(PDF)自体は50ページに及ぶ長大なもので、それが無料公開されているという気前の良さだが、残念なことに私にとっては、モーツアルトの全楽譜公開とそう意味の違いはないので、安直にプレスの紹介だけをしておく。言い訳するなら、一応とばし読みだけはしたんだが。
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喫煙、薬物使用、防御手段を使わないセックス、泥酔運転の車に乗り込むなどの十代の青年たちが見せる愚行は、自分たちが不死身だと思っていたり、危険とは無関係だと思っている故ではないのだとコーネル大の研究結果は告げる。

実際、十代の若者たちは危険について、むしろ大人たちよりも時間をかけて(約170ミリ秒以上*)様々な角度から熟考し、より重くそれを評価しているのである。彼らは過大評価した危険性ゆえにそれを無視し、差し当たっての高い満足を期待するのだ。コーネル大学人間発達科学教授、バレリー・レイナ女史はそう語る。

教授はテンプル大学のフランク・ファーレイ教授とともに、既出論文を再検討し、なぜ若者が愚行に走るのか、彼らに正しい行動を選ばせるにはどのような介入が必要なのかを検討した。

教授たちは、大人たちが危険な行動に関わるときは、直観的にその危険性を捉えて行動するのに比べ、若者たちはより時間をかけて、危険性と得られる利益について熟考することを見いだした。

「いうならば、経験のあるデシジョン・メーカーは、様々な問題点を多くの角度から検討するというよりは、問題点を要旨として捉え、より曖昧な理由付けと状況判断に頼っているのです」、レイナ教授はそう語る。教授は、医師が方針決定する際、少ない情報からクリアカットな方針を導く例をあげる。「こうした態度がよりよい決断につながるのです。日常生活だけでなく、決断のスピードと質が決定的な意味を持つ救急治療室のような条件でも」。

若者の行動に関するこのような知見は、例えば喫煙や無防備な性行為といった危険について、細々としたデータを示すことは、かえって彼らの危険に関する評価を高めるだけだと示唆している。彼らにたいしては、理性的、熟考的な方法で危険を認識させるのではなく、避けるべきカテゴリー概念とする、要点的な思考を発展させるよう援助すべきである。
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以上、元論文のニュアンスを汲んだつもりで一部書き加えた部分もあり、もしかしたら結果として大はずししているかも知れない。要は、若者は自分がスーパーマンだとか、自分にだけは悪いことが起こらないという風に、バカな考えを持っているのではなく、様々な側面を色々考えすぎてしまい、重み付けが出来なくなってしまうらしい。それゆえ、あえてそれを冒すことに快感とか達成感の高配当を期待してしまうということか。何となく、覚えがあるような思考パターンであるような気もする。

彼らへの指導が、ネチネチと噛んで含むように理屈を教え込むようなやり方では、結局目先の利益を選ぶようになるだけというのは慧眼だと思うが、じゃどうやって「カテゴリー」を認識させるように導けるのかというあたりは、元論文でもあんまり明確には述べられている様子はない。もちろん、そんなことは余計なお世話だとは思うし、熟考した上での愚行というのは、別に若者の専売特許でもないのでは。

やっぱ、カテゴリーというからには、カントでも皆で読みますか?

*著者たちが引用する心理学実験のデータ。「髪に火をつけるのはいいことか?」とか、「パイプクリーナーを飲むのはいいことか?」といった質問をして、ハイ、イイエで答えるまでの時間を計測した際、思春期少年は170ミリ秒だけ大人より返答に時間がかかったというもの。

投稿者 webmaster : 2006年12月18日 23:58

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コーネル大学の研究結果によると、10代の若者は大人よりもほんの少し危険について考えているのだそうな。 実際、十代の若者たちは危険について、むしろ大人たち... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2006年12月20日 00:37

コメント

「親の言いなりになるのが嫌なだけだい」
って言ってたのは誰だっけ?
 
それに50ページねえ、、、、、

 一生に一度は親の言う事を聞かない行動をしなければならないと仮定して、その行動を取るのに最も相応しい(安全性とか)歳は消去法で若者になるんじゃないのかなあ。

投稿者 元院生 : 2006年12月21日 00:29

流行りの~年齢判定アルゴリズムには、怒りをおぼえるばかりでしたが、
読み終えて、か・な・り 勇気づけられました。
しかしなにゆえ評価が正反対???

投稿者 まかない : 2006年12月20日 22:53

>(約170ミリ秒以上*)の遅れというのは単に老化によるものじゃないのか

十代の若者の方が老化しているというご意見ですか?

もしかして、「老化すると時間をかけて考えなくなる」というご意見?

投稿者 webmaster : 2006年12月20日 20:11

(約170ミリ秒以上*)の遅れというのは単に老化によるものじゃないのかと思料する次第ですが?

投稿者 skt48 : 2006年12月20日 18:33

コンピュータと人間が共にチェスの試合に挑んだときに、同じ時間を用いてコンピュータは「いかに指せば負けないか」を割り出し、人間は「いかに指せば勝てるか」を導き出すのだという。
この点においてコンピュータは永遠に人間には勝てないのだとか。

冬山登山にも応用できるでしょうか。
安全を第一義にするのならそもそも登る必然が無くなるのだし。

投稿者 小狸工房 : 2006年12月19日 21:43

一言で言い換えると「馬鹿の長考休むに似たり」ということですか?

投稿者 てんす : 2006年12月19日 20:59

日本的観点だとこんな感じですかね。

伊集院光の語る「中二病」
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2853579/detail?rd

投稿者 聴者 : 2006年12月19日 10:25

「己の限界に挑戦したいから」(ハイド氏談)
「異性の注意を引きたいから」(トムソーヤー談)
だと信じておりましたが。

眉唾なる拡張ゾウリムシ理論によれば、知見で安全と分かっている範囲を逸脱して動き回るから餌の移動に対応出来て繁殖出来るのであって、皆が安全地帯(と皆の信じている生活)に留まっていたら、その安全地帯が実は地震帯の上だった時に種が滅びる可能性があります。進化論的には適度に逸脱した連中の存在する群が生き残るのではないでしょうか。

投稿者 北欧在住 : 2006年12月19日 05:50

若葉マークのドライバーが注意力をフル回転させるより、ベテランドライバーがリラックスして運転する方が安全であるのと同じ? こっちのほうは説明付けが結構あるはずけど、この50ページ論文で引用しているのでしょうか? 

『お前の脳神経は全く信用せんが、脊椎反応には全幅の信頼を置いているから、頼んだぜ』
そう、トニーは007に語ったとさ。

投稿者 元院生 : 2006年12月19日 03:25