« ビデオゲームで手術の腕が上がる? | メイン | 信頼を呼ぶ医師の服装とは何か? »
英国経済調査局が出版を予定している「幸福度と血圧の関連」に関する論文草稿(PDF)が、主著者が属する英国ウォリック大学のサイトで全文紹介されている。論文はPDF34ページにも及び、抜粋以外は流し読みしただけなので、見当はずれな感想も含まれているかも知れない。近代統計文献では、例えばデンマーク国民の幸福度は東ドイツ地区の国民よりも高いとして議論を呼んでいる。この主張は信頼できるものだろうか?本論文では二つの発想を元に調査を行った。一つめは、心理的な幸福度と血圧の高さは、反比例するものだと医師たちによって捉えられているということ。二つめは、血圧は幸福度と比べるとより客観的なものだということである。
16ヶ国のデータを用いて調べた結果、本論文は、幸福な国家の国民は、より低い血圧を示すということを見いだした。この結論は、国別の幸福の評価基準差を踏まえ、検証した結果得られたものである。
上の表を拡大したものを見て頂ければ、16ヶ国は4ヶ国ずつ4つのグループに別れ、それぞれの幸福度と平均血圧は見事に逆比例しているのが判る。スエーデン、英国、オランダ、デンマークがこの幸福-低血圧国家でトップ4で、ワースト4は旧東西ドイツ、フィンランド、ポルトガルである。なお、このデータはこの論文の著者たちが独自に調べたものではなく、2001年秋に行われた、ユーロバロメーターという全欧調査の際に得られたデーターを利用している。調査数は一国に付きほぼ千人、基本的にはすべて質問紙法である。
例えばルクセンブルグとドイツが、調査件数同じで良いのかとか、出来合い調査なら論文書くのに手間がかからないで良いね、などと嫌みも言いたくなるが、逆に調査時の手心が加わりにくいという面もあり、これはこれで正当性があるのかも知れない。
問題は、彼らの言う「幸福度」がユーロバロメーターで行われるGHQ (General Health Questionnaire)と呼ばれる健康調査質問にある、不安・抑うつ尺度をメイン基準としている点。病的な状態でなければ幸福というのは、それ自体あまり健康な判断基準とは思えない。幸福のとらえ方は人それぞれだろうし、国別の差を検証したとは書いてあるが、そのへんを既存の質問紙で調査しようと言うのは、はじめから無理なような気がする。
賃金は安い、社会的インフラなんかまるでそろっておらず、ナイナイづくしで仕事のノルマにおわれ、それでいて結構、ガハハと陽気に人々が暮らしていた時代だってあるわけで。
それに個人レベルで、幸福でないと血圧が上がるという傾向が実際あるのかねぇ。そんなに関係あるとは思えんが。確かに、不安発作で血圧があがる人はいるものの、それは不幸とはちょっと違うだろう。もうちょっと読み込む必要があるものの、まるっきり納得がいかない結論に、考え込むばかり。<Via>
投稿者 webmaster : 2007年02月21日 23:58
このエントリーのトラックバックURL:
http://med-legend.com/mt/mt-tbcba.cgi/1035
ドイツ食(東欧も)といえば塩辛く脂っこいんで、血圧が上がるのも当然だと思うのですが。西に行く程メキシコ湾流の影響で体感温度が上がって塩が要らなくなる筈だから(ほんとかな?)、それで血圧云々いわれてもねえ。
ま、世の中の研究の1/3(もっと多い?)が「先に結論ありき」の研究だそうだから(良い意味では先に直感ありき、という場合もありますが)、目くじらたててもしょうがないかも。
投稿者 元院生 : 2007年02月23日 07:16
> スエーデン、英国、オランダ、デンマークがこの幸福-低血圧国家でトップ4で、
英国の子供は「最も不幸せ」=先進国でランキング最下位-ユニセフ調査
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070219-00000011-jij-int
英国の子供は血圧が高くて不幸せだが、大人になれば血圧が下がって幸せになれるんでしょうか?
投稿者 スポック : 2007年02月22日 19:03