投稿者は、WashingtonDeceitというHNの病理学者。シカゴにあるロザリンドフランクリン大学で病理学を指導している、ジョン・ミナシック博士とのこと。
学生たちのために、自分のページでカリキュラム案内や試験の予定を公開してくれていたり(しかもパワーポイント画像つきで)、なかなか親切な先生であるようだ。
学生たちを「給料を払ってくれる私のボスたち」と呼ぶところなども、人柄のよさというか、商売上手さが知れて、好感度は更に高まる一方。
組織病理学は医学生が基礎医学から臨床に進んでいく時、散々勉強させられる学問で、来る日も来る日も顕微鏡を覗いては、スケッチばっかりさせられた日のことを、今でもそう懐かしくもなく思い出す。あれ、長いことやっていたら、なんか目が寄ってきて妙な具合になってしまうんですわ。
私の場合は、下宿に自分用の顕微鏡を買っておく程のリキが入っていなかったもので、実習が終わればすぐに頭がカラッポになってしまったものだが、最近の医学生は、どこにいてもYoutubeで勉強ができるわけですな。うらやましい話である。
伊東四朗生誕70周年を記念して、かの三谷幸喜が脚本を書き、三宅裕司が演出兼客演、その他、中村メイ子、佐藤B作、山口良一とか東貴博、伊東孝明などの人気者がずらりというふれ込み。最後の人はどうも伊東四朗の息子さんらしい。
芝居は、何かとトラブル続きの一部上場製菓会社のワンマン社長、伊東四朗を引きずりおろすために、三宅裕司の専務を中心にした工作が進められる、という筋書きを、昔懐かしい一幕ものの喜劇仕立てにしているのだが、感想を簡単に言えば中途半端で散漫である。
伊東四朗の個人芸で退屈はしないで済むが、やはり寄る年波、動きや声の出は今ひとつ(マイクは仕込んであったみたいだが)、なにより他の連中にイマイチ力がないので、痛々しさがカバーしきれない。貢献度をパーセンテージで表すと、伊東四朗48%、三宅裕司16%、山口良一12%、佐藤B作6%、意外にも伊東息子8%というところか。中村メイ子は別格で、残りの空白部分は一応埋めてはくれる。
ヒロインの何とか言う女の子は採点不能ながら、昔々の「スチャラカ社員」の東山明美の役ドコロと、ド素人風味がそれなりに功を奏して、貢献度10%というところか。東貴博には、まったく喜劇役者としての花も無ければ芸もない。多分自覚しているんだろうけどね。貢献度-10%。
まあ、そこそこ笑えたからいいじゃない、と友人たちには慰められたのだが、こうした痛々しい笑いに、結構な額の金を払わないといけない不幸は、無能な政治家の統治を、仕方なく受け入れなければならぬ不幸と、かなりの部分同根であるように思える。
芝居終了後、下北沢の某スペイン料理屋で同行者たちとオダを上げていたら、隣の席に中村メイ子さんとその関係者(おすぎ似の娘さんとか)がやってきて、食事をとりはじめた。感想とは全く別チャンネルで、サインでも貰おうかと思ったが、やっぱ気が引けたのでヤンペ。正直な印象言うのも無粋だし、言わないのもいかんような気がして。
しばらくしてウェイトレスが来て言うには、私たちが注文したピザを間違って別の客に出してしまったとのこと。8インチのピザを二枚ということにしてくれれば、お客さまにもお得では、というのだ。
私、マットはすぐに暗算した。8インチピザ二枚の面積は、2*pi*(4)^2=32*piである。一方12インチピザ一枚の面積はpi*(6)^2=36*pi。明らかに12平方インチ以上の損である。私はあくまで12インチピザでないとイヤだと主張したら、ウェイトレスは納得してくれて、我々は12インチのピザを得ただけでなく、8インチのピザを一枚、ボーナスで獲得したのだった。
てな具合で、数学や幾何学の有効性を説くのがこちらのブログエントリー。この程度の計算、日本人ならほとんど瞬時にやるぞ、といいたいが、最近のクイズ・ヘキサゴンなんかを見ていると、ちょっと心配しないでもない。
それ以上に、最適解は8インチのピザだけをタダで一枚もらう事だと思うんだが、それには一顧だにされていないのが気になるところ。<Via>
さっそく、ここのURLを入力してみると、ご覧のように晴れてG指定と判定された。もっとも、思いつく日本語ブログサイトはすべてG指定で、例えばここなんかダメだろうと思っていても、やっぱりG指定。
どうも、英語のキーワードだけに反応するような作りらしい。そりゃそうですわね。ちなみに、今日付のタイムズやBBCはG指定だが、CNNはPG指定。よい子は両親と一緒にCNNを見ましょう。たまたま、suicideとかrapeという単語を含む記事があった、というだけのことなんだけど。
エロサイトでは無いところで、R指定やNCが出るところはないかと、捜してみたんだが、あまり面白い結果はでませなんだ。せいぜい英語版WikipediaのS・フロイトの項でNC-17がでた程度(「精神分析」ならR指定)。文化的インパクトを失った精神分析学も、この手のセコイ基準相手なら、まだまだ毒を失っていないわけですなぁ。
ズーラシアというのは、名前だけは聞いていたが、動物園だとは思わず、カツラの博物館かなんかだと、勝手に思いこんでいた。これは是非一度訪れてみるべきだと、急遽お出かけ。動物園というのは、今ひとつ気分が冴えない時、ぼんやり時間を過ごすのに最適なんですな。水族館でも良いんだけれど、何故か入場料がクソ高いし。
そんなわけで、半日のんびり動物ウォッチング。惜しむらくは、車で行ったので昼間からビールを飲めなかった事。マギー審司に倣って、電車で行くべきだったなぁ。動物たちは幽閉の身にもかかわらず、皆サービス精神旺盛で、クソ暑いなか、客に精一杯、種としての尊厳をアピールしておりました。まあ、食っていく心配がないのが、せめてもの慰めかと、妙に悟った気分になり帰宅したのでありました。
[目的]小児期のタバコ型キャンディ使用は、成人期の喫煙につながるかどうかを確かめること。
[方法]オンライン市場調査パネル、ハリス・ポル・オンラインに登録している25887人の米国人成人を対象にして、2005年11月から翌年6月までの喫煙状況を調査した。その回答者に、小児期にタバコ型キャンディを食べていたか否か、及びその量の回答を求めた。なお、データは米国の年齢別人口による補正を行っている。
[結果]回答者のうち、26.4%は現在も喫煙しており、29.4%はかって喫煙していた。タバコ型キャンディを食べた経験がある人は喫煙者、喫煙経験者双方の88%にみられ、非喫煙者では、78%がタバコ型キャンディ経験者であった。統計処理が示すところでは、非喫煙者と比べた場合、タバコ型キャンディ使用者と現喫煙者の関連性に対するオッズ比は1.98であり、喫煙経験者の場合は1.83であった。現喫煙者、喫煙経験者のタバコ型キャンディ使用との関連オッズ比は有意に上昇していた。
[結論]小児期のタバコ型キャンディ使用歴は、喫煙のリスクにつながる事が、オンラインサンプル調査で示された。喫煙にいたるオッズ比は、タバコ型キャンディ使用歴がある場合、上昇するのである。この関連性は、社会的統計データを根拠としている。タバコ型キャンディを排除することは、喫煙を正当化する商品から子供たちを守る事につながるであろう。<引用以上>
私自身は学生時代に、何となく大人ぶった態度をとる目的だけで喫煙していたこともあるが、煙たいだけだし、何より金がモッタイナイというしみったれ根性から、あっさり禁煙して30年以上になる。たしかに、無神経な喫煙者にイライラすることはあるが、かといって昨今の喫煙者バッシングにはかなり疑問を覚えないでもない。
まして、タバコ型キャンディまで「排除」すべきだという意見を、そう疑いもなく主張するセンスには、いささか空恐ろしいモノを感じてしまう。それも、たいした差もないオッズ比を根拠にそう言うのだし、そもそもオッズ比自体、たいした関連性も見つけられない時、大袈裟に相関を言い立てる修辞法の1つでしかないのに。
それ以上に愕然としたのは、写真の「ココアシガレット」が、今やタバコの形態をまねる努力すら放棄しているという事実なのだけれど。ガキが無意味に大人ぶるためのお菓子なのに、商品コンセプトをメーカーが理解していないってアリ?
これを説明するための様々な理論の一つに、初期の原人たちが、栄養価の高い食物をより多く摂取するようになったからだとするものがある。食生活変化のために、消化管システムは小さくなった。つまり、原人は、腸と大脳灰白質をトレードしたのである。
大きくなった脳は更にエネルギーを要求した。人類は、体重あたり他の霊長類とほぼ同等のカロリーを摂取しているが、類人猿がその8%を脳で消費するのに比べて、平均25%を脳で消費している。人間の幼児の場合は、脳を育てるために60%のエネルギーを使う。
人類学者たちは今まで、直立猿人たちが肉を生で食べていたと推測してきた。もっとも古いとされる火の使用痕跡が、50万年から最高79万年前だと見積もられるからである。焦げた石や火を扱う道具が、150万年前の旧人生活痕跡から発見されてはいるが、これらは自然に起こった火事の跡と考えられている。
ハーバード大学の人類学者、リチャード・ランガム教授は、トップ・シェフのかなり遠い祖先が、シカやウサギを火で調理し始めたと考えている。穀物も肉も、火で調理することで柔らかくなり、噛みやすくなって、多くのカロリーをより少ない努力で摂取することが出来るようになる。
ランガム教授と共同研究しているアラバマ大学の動物生理学者、ステファン・セコー助教授は、大蛇やネズミを使って、火を加えた肉と生肉の栄養摂取効率の比較を行っているのだが、大蛇の場合は25%少ないエネルギーで調理した肉を飲み込み、調理肉で育てたネズミは、体重、身長とも増加傾向が見られた。
これらの実験から、調理された肉は初期の人類に対し、速やかに劇的な進化のインパクトを与えたとランガム教授は推測する。直立猿人が世に出た頃のキャンプファイヤー跡が発見されていないという、実証的な裏付けにはかけるものの、彼の推測は一部の自然人類学者たちに、大きな興奮を与えているという。<以上、こちらの記事より恣意的抜粋>
私らは昔から、「直立と、火の使用が人類を動物から進化させた」というような、大雑把な教えられ方をしてきたので、特にバーベキューを強調しなくても、色々あって進化したんだろうなと、すぐに納得してしまいがち。こういう風に、当たりはずれは別にして、栄養摂取効率をいささか牽強付会なまでに主張する態度が、新しい学問を切りひらくのかも。
もっとも、引用した記事の最後にも書いてあるのだけど、ランガム教授が言うように、火を通した肉の摂取がそこまで動物の大脳を育てるものなら、人類の周辺でそのおこぼれを食って生きてきたペットたちとか、ネズミたちは何で知性を得る方向に進化しなかったのか、少々疑問ではあるものの。<Via>
ウォーカー博士は自分の自転車に超音波センサーを取り付け、大学周辺の道を走った。2300台の車が彼を追い越した時の車間距離を、ヘルメット装着時、非装着時について比較した。この結果は論文となって今年3月に発刊された「事故の分析と予防」誌"Accident Analysis & Prevention"に掲載された。
それによれば、ヘルメットをかぶって自転車に乗っている時は、かぶっていない時に比べ、追い抜く車がとる車間距離が平均3.35インチ(8.5cm)短くなることが示された。しかし、博士が長髪のカツラをかぶり、女性を装うと2.2インチ余裕が生じたという。
ウォーカー博士ははこの調査中、実際にトラックとバスに二回接触されたが、それはどちらもヘルメットをかぶっている時であったという。幸いなことに、博士に怪我はなかった。<以上こちらの記事より>
落車した時など、頭を道路に打ち付けるような運の悪い怪我をヘルメットが防ぐのは、確かに間違いないことである。しかし、追い抜いていくドライバーの反応を考えると、メリットだけでは無いのは、昔の自分の経験からも、うなずけるように思える。変に進路妨害されたり、煽られたりすることが、ヘルメット装着時には多いのですわ。
これについての議論は結構あって、自転車ヘルメット装着率の増加は、必ずしも事故による怪我の減少に役立ってはいないとする統計的研究もある。そのキーワードとなるのは、"risk compensation"というもので、安全策がとられれば、その分危険に対する意識が薄れ、結局効果は相殺されるという現象である。たしか、車のシートベルトでも同じようなことが言われるのでは無かったかという気が。
自転車の場合、サイクリストの側がヘルメット装着で安心し、無茶なライディングをし始めるということはまず無いと思われる。ヘルメットをかぶっていると、周りのドライバーたちが何故かつっかかって来るような気がするという、今まで何となく感じていた疑問に、1つの実証的なデータを与えた画期的研究といえようか。
差し当たって、ヘルメットよりは女性用カツラの方が安全らしいというのは、今後の安全対策グッズ開発に対する、かなり重大なヒントになるのでは。<Via>
彼女たちは家庭背景について質問され、三つのグループに分類された。両親が早くに離婚して、その思春期を父親と過ごすことの無かった「父不在グループ」、彼女たちの思春期の間、両親が離婚しなかったものの、争いが絶えなかった「破綻家族グループ」、そして両親が普通の生活を送っていたグループの三つである。
そして、それぞれの集団の顔写真をコンピューター合成し、平均的な顔貌を再構成した(左から父不在組、破綻組、関係良好組)。それぞれの平均顔貌は極めてよく似ているものの、右に行くほど卵形輪郭で、眉がよりまろやかになり、瞳が大きめになっていることがわかる。言葉を換えたら、より「女性的」なのだ。
ブースロイド講師は、顔貌以外にも身体的指標についても計測し、父親と暮らさなかった女子学生ほど体重が重くなり、体脂肪が多いことを発見している。また、両親の関係に対する評価が悪いほど、その女子学生の体重は重い傾向があり、ウェストのくびれも少なくなることも見いだされた。
ブースロイド講師たちは、これらの理由については今のところ不明としながら、思春期における体験が、ホルモン産生(特にテストステロン)にかかわる遺伝子発現に影響しているのではないかと考えている。(以上、ブースロイド講師によるこちらの解説を要約)
ちょっと前のフェミニストなら、すぐに噛みついてくるような内容であるが、まあ、そんなモンだろうなと思わせる。三つの顔貌の差というやつが、それほど実感出来ないのが残念なところ。
なお、ブースロイド講師は、人の見かけによる内面の判断というものをテーマにした研究を続けている人のようで、最近ではこちらの報道にあるように、父親似の男性に心を奪われる女性についての研究を終えたばかりのようだ。
子供時代、父親との関係性が良好であればあるほど、理想の男性が父親タイプになるという、なんか当たり前みたいな結論になるのが、昔の精神分析みたいなハッタリ系屁理屈の手の込み方とは違うところ。物質的な根拠づけというのは、物事を退屈な視点から見ることなのだな、と納得するしかない。
おまけに、やたらにシワい経営トップの意見からか、患者送迎用のマイクロバスを使って出かけるというのだから、なんだかなぁー感はさらに強い。事故でも起これば、すぐに一医療機関がほとんど機能停止。ど忘れしたふりでスルーしようかと思っていたが、幹事に前日きっちり確認されたので、とぼける訳にもいかん。
結局、経営者の感覚としては、皆で大酒飲んでグデングデンになることを通じて、一体感を演出したいのでしょうな。勘弁してくれよなぁーと思いつつ、適当な断り理由が見つからないのがつらいところ。大体、私は普段シャワーだけで済ますぐらいで、温泉にどっぷり、なんて大嫌いなんだし。
そんなわけで、疲労困憊のうえにひどい宿酔い状態で、かろうじて自己意識を維持するためにこれを書いているという次第。写真は、こういう機会でもないと、一生行くことは無かったであろう「海ほたる」のデッキにあった、謎の犬彫像。その場にそぐわぬはぐれモノっぽい雰囲気が、今の気分にぴったりだったので、アップしときました。

適当な写真が見つからないので、ちょっとキツイ面もあるが、例のバージニア工科大学の大量殺人犯人、チェ・スンヒはなかなか連続性を持っているように思える。その次ぎに昨年度のM1優勝コンビのツッコミ、福田をつないでみるが、これは結構グー。
二番目と三番目の類似については、誰もが納得すると思う。是非、チュートリアルはこの類似に乗っかって、洒落た大量殺人コントを展開して欲しいと思うんだが、やっぱそれは無理か。
毎年、数百人ものカソリック修道女たちが、医学研究の名のもと、体重や色々な指標を計測され、採血され、検査されていると、米国のABCニュースは伝えている。
スペインのビールと健康情報センターが行っている研究では、50人の修道女たちが45日間に渡って500ccのビールを飲み続けた。6ヶ月後、彼女たちは400mgのホップを摂取したとロイターは伝えている。この研究では、高コレステロール値を示していた修道女のコレステロール値が、6%低下したことが示された。
「私たちは、人類のためにこの研究に参加したのです」、シスター・アリメリンダ・アルバレツはエル・パリ紙の取材にそう答えている。アメリカでも、骨粗鬆症やアルツハイマー病、その他様々の研究に協力している同僚たちがいる。
研究者たちは、修道女の独特のライフスタイル、特に性交渉や出産経験が無いこと、一様な生活レベルを同僚たちと共有している点をもって、理想的な研究対象だと見なしている。そして、修道女たちが、長年にわたって、研究に快く参加してくれてきたことも、理由の一つである。
「彼女たちを対象にする、もっとも大きな理由は、その利他主義だ」、ケンタッキー大学のサンダーズ・ブラウン加齢研究センターで修道女研究を行っている、デビッド・スノウドン博士はそう語る。
スノードン博士の研究は、アルツハイマー病の発病因子を発見しようとするもので、彼はノートルダム修道女団に属する678人の追跡調査を行っている。利他主義にくわえ、彼女たちが対象になったのは、人生早期から存在する発病因子を分離するのに、修道女たちの同様な生活スタイルが、コントロール集団として実に都合がいいことによる。修道女たちは、食事や医療ケアへの接触など、人生の多くの局面において、修道生活へ入る誓いの後は、同僚たちと同じ態度を取るからだ。
この研究では、1917年以前に生まれた93人の修道女たちが、20代に生活を神に捧げる誓いをかわしたときに書いた自伝を比較した。研究者は、その時に書かれた文章が複雑で技巧的なものである人ほど、老齢になってもアルツハイマー病の徴候を示しにくいことに気がついた。このことは、人生早期にすでにアルツハイマー病へのかかりやすさが示されていることを意味すると、研究者たちは信じている。
「私たちは、若年期にアルツハイマー病罹患判定に通じる、のぞき窓を得たことになります。普通ならそんな頃に、後の人生に記憶を失ってしまうかどうか判断なんか出来ないのですが」、スノウドン博士はそう語る。「私たちは、過去の様々な資料に触れることが出来ます。生活史、自筆自伝、高校の成績表など。そして、彼女たちがアルツハイマー病を発症する、60年から80年前の姿を見られるのです」。<Link>
はじめのビール飲み研究の紹介が冗談めかした調子で書き出されていたので、適当なオチで終わろうとしていたのだが、後半、有名なスノウドン博士の研究紹介になってしまい、茶化すのもはばかられる雰囲気なので、そのまま紹介する次第。なお、博士のこの研究に関する一般的解説書「100歳の美しい脳―アルツハイマー病解明に手をさしのべた修道女たち」が出ているので、興味ある方はぜひ御一読を。
もっとも、私自身は若年期の言語能力の高低が、アルツハイマー病の発症それ自体と関係しているとは思いませんがね。高い能力の持ち主が、発症後の適応不全をかなりカバーしている例はよく見るものの。
もとの本が出版されたのは96年で、その年の和辻哲郎文化賞を受賞している。著者の長谷川三千子氏は本来哲学者で、聖書学に関しては「純然たる『門外漢』」なんだそうである。門外漢が書いた本を、その主題に興味もないような人間が、義務的時間を過ごすために読んだのに、文庫で1300円という破格の高価格にもかかわらず、そこそこ満足出来たというのは、まことに目出度い事でありましょう。
本の記述は、表紙絵になっているピーテル・ブリューゲル(父)の1563年版「バベルの塔」に関する印象記から始まる。この絵をみた誰もが、実に奇妙な印象を覚えるのだが、著者の長谷川氏がとりわけ注目するのは、描かれている建設途中の塔が、自然の大岩を内部に取り込むようにして作られている点である。
その塔自体の奇妙さ、不気味さを著者は強調し、バベルの塔物語について俗に語られる、「人間の高慢に対する神罰」という教訓譚が、そこにはあまり現れていないことから始まり、そもそも、旧約聖書の記述自体、そうした「神罰」について記述されていない事が明らかにされるのである。
旧約聖書の記述だけを読めば、ヤハウェは人間たちがつましく町に集まって共に暮らすこと、それ自身を憂慮して、多くの言語をもつ諸民族に分散させたことになるという。でも、そりゃちょっとおかしくね?というのが著者の疑問。大体、ヤハウェは土で人間(アダム)を作った後、動物や鳥も作り、それをアダムの所に連れてきて、アダム自身にそれらを名付けさせている。1つの言葉を人間が作って行くのを手助けしているのだ。
まあ、これはもちろん、人が楽園から追放される前の「原初的」な歴史であって、その後もカインは弟を殺すわ、ノアの同世代人は悪さばっかりするわで、ヤハウェはキレてしまって全生物をチャラにしようと目論んだわけだ。でも、そこで救済のために箱船を造らせて、ちゃんと和解もしているわけで、今さら1つの言葉をしゃべるのが気に入らんと因縁つけるのはどうよ、というのは当然の疑問でありましょう。
そんなわけで、著者は創世記のはじめから、旧約のアウトラインを書いたと目される、ヤハウィストと仮に呼ばれる人物の視点を再現するという作業を始める。彼、もしくは彼女は、旧約の元ネタとなったメソポタミアの神話に精通していた知識人で、創造主と直接対峙しうる知性を備えた人物とされる。このあたりの記述は妙にわざとらしくて辟易する面もあるのだが、まあそんなモノかも知れませんなぁ、とド素人は納得するしかない迫力があるのもまた事実。
何だかんだで、要はヤハウィストと呼ばれる旧約聖書草稿ライターは、神と人と土地が相互に対等なものであるべきだという、えらくモダンな信仰というか、思想を持っていた人物で、その思想からすれば、人(ヘブライの民=ユダヤ民族)は土地に縛られることなく、また永遠に1つの土地に安住することなく彷徨う運命を自覚していたのだというのが、多分著者の主張。神に捧げられたバベルの塔のもとで、人々が仲良く暮らした王国がありましたとさ、という凡庸な神話を拒否するリアリストが、旧約の前提となった草稿を書いたということなのだろう。
だから何なんだ、といえないこともないが、常識的な理解を見事な豪腕で打ち破っていく展開は、かなり読み応えがあった。残念な事に、まるきり基礎的な知識がないモノだから、トンデモなのかそうでないのか、どうにも判断しかねるのが難点。

満月の日に人が暴力的になり、狼男になるという伝説は、古来から存在する。しかし、誰もが、月の満ち欠けと人間行動の関係性を、適切に説明することが出来なかった。
サセックス州警察のスポークスウーマンは、警察が自ら行った調査によっても、暴力事件と満月との関係を示したと表明している。彼女は、夏の満月日には、ブライトン市のパトロールにより多くの警察官を配備することになると付け加えた。
パー警部は更なる調査を行うために、この問題に興味をもつと思われる大学の研究者に連絡を取った。BBCの報道に対して、警部はこう語っている。「19年以上に渡る警察官としての経験から、満月の日には人々は、間違いなく奇妙な行動に走ると言える。理屈っぽくなり、気難しくなる。これは長らく全国の警察官の間に伝えられて来たことだ」。
この現象に対する過去の研究では、ポーランドの科学アカデミー教授、ミカエル・ツィメッキ博士による、満月が暴力事件に影響を与えているとするものや、98年に行われた刑務所での暴力事件解析研究が肯定的な影響を認めている。
なお、94年にジャック・ニコルソン主演で作られた映画「ウルフ」では、制作スタッフの1人が創造物に影響されてしまい、満月の日に狼男になったという言い伝えがある。<引用以上>
この「月の魔力」に関しては、このサイトを立ち上げたころに(1999)、もっぱら医学論文の簡単なまとめをアップしたことがあり、その後、映画の紹介でもまた触れた。当然、「そんなアホなことがあるわけ無い」というスタンスで、実際、多少でも肯定的なニュアンスを表明しているような論文は、ごく一部を除いて、ほとんど無かったように思う。
上の記事を読んで、また関連論文を集めてみたのだが、以前にまとめたときよりも、参照出来る論文数がかなり増えているのと、満月と犯罪や事故との関連性を示唆するものが、ちらほらとではあれ、目立つようになったという印象がある。前回の記事はあまりにもお座なりだったので、この機会に、もう一度まとめ直してみようかと考えている。
とは言うものの、ざっと流し読みしただけでも統計処理に問題がありそうなものや、いくらでも別の説明が付けられるようなものもある。例えば、前回見逃していたインドの研究者によるこの研究(PDF)は、犯罪の件数が満月に一致して増えていることを、はっきりとグラフで示しているが、インドでなお太陰暦が使われていることを一切考慮していない。祭礼などは太陰暦によって決められていることが多いだろうし、そう言う日は人々の往来が盛んで、トラブルだって多いだろう。満月と犯罪多発が一見一致しても、不思議でないと思うのだが。
その点、英国警察によるこの満月=犯罪多発の主張根拠は、あんまり客観的とは思えぬ経験なのだが、そういうものを振り回す理由が判らない。私なんか、ある意味似たようなことを扱っているが、まったくそんな「経験」ないもの。
官僚組織というものは、どんな理由を使っても、人と予算を食いつぶすために、全力をふるうものだということで説明出来るのかも知れない。給料日に事件が増えるというのは、実によく判る気がしますがね。
なお、記事中のポーランドの研究者による論文は多分これ(PDF)だと思うが、記事で書かれている内容とはかなりニュアンスが違う。刑務所の研究の方は、医学データベースからはたどれなかった。恐らく、社会学系の研究なのだろう。また、映画「ウルフ」については、IMDbを当ってみたが、そのようなトリビアは発見出来なかった。どなたか、発見出来た方はご教示願いたい。
組織委員会チェアマンのセバスチャン・コー氏は、「これはロゴではなくてブランドだ。これは我が国で開催されるゲームが、オリンピック精神を世界すべての人に伝えると決意を象徴している」と意気軒昂である。しかし、40万ポンド(1億円弱)をかけたこのデザインに対するロンドンっ子たちの評価は、決していいとはいえない。<Link1:Link2>
しかも、てんかん治療の専門家と関係者団体が、このロゴが光てんかん発作を誘発する危険があると主張し、現にこれがTVで放映されたために発作を起こしたという訴えが複数寄せられているという。
組織委員会は公式ページから、このロゴの動画版をあわてて外すという騒ぎになった。TVやウェブ版では、ロゴは赤、橙、青、緑と言う具合に色を変えていく作りになっていたのである。委員会は「事態を重く受け止める」と発表しているが、今後のロゴの扱いはまだ決定していないようだ。<Link>
一部関係者の中からは、「あの、女の子がラインダンスを踊るやつにしておけばよかった」という反省の声も聞かれるという(嘘:大体、ネタ古すぎるし)。
同記事中のリンクを辿ればまさしくその通り、州道655号線のStreet Viewサービスが始まるまさにその場所から、草地から立ち上るビーム光線と、ぼんやりではあるものの、確かにETに見えないこともない(私にはR2-D2に見える)、半透明の画像が見えるのである。
はて、これはなんじゃろかと、655号線を南方向に辿っていくと、同じようなビーム+ETが見える場所と、ビームだけが見えるところ、何も見えないところがあるのに気付く。あまり不思議なので、近くの国道22号線のStreet Viewを確認してみると、不思議なことに、そこでは全くこのようなモノはみえず、ただ周辺の景色のみが淡々と表示されるばかり。
それでも、頭をひねりながら、州道655号線を観察しているうちに、これが見えるのは、カメラに日差しが当たっていて、その日差し方向にカメラが向いている場合であるのに気がつく。要は、ハレーションということである。
Street View画像撮影用カメラの特殊な形状とパノラマ化画像操作が、ハレーションをこんな形に見せるのだろう。22号線の画像にこれが出なかったのは、撮影された日が曇りであったからと思われる。
NY市内のStreet Viewを見ていくと、同じような条件をみたす場合は、同じような画像がちゃんとみえる。レーザービームに加え、ETと言うよりは、デススターというか、柄の部分が大きなメロンのように見えるが、これはおそらく、太陽の位置などの違いによるものだろう。
そんなわけで、「21世紀最大の発見! あるいは遭遇です!」と、ギズモード記事ははしゃいでいるのだが、真実は大概の場合、そう面白いモノではないという実例の1つを提供することで終わるようである。
そんなHopeLabが昨年春にリリースしたのが、ヴィデオゲーム、"Re-Mission™"(remissionには、治癒困難な病気からの一時的回復を意味する、『寛解』という訳語が普通当てられる)である。
これは3人称視点のアクションゲームで、ゲーム操作者はRoxxieというマイクロアンドロイドキャラになって、ガン患者の体内をジェット噴射で動き回り、抗生物質や抗ガン剤を発射する銃を使って、ガン細胞や細菌をやっつけていくというもの。こちらが予告編。
このゲーム設計は、スタンフォード大学医学部で「ゲーム療法部」を創設し、そこで臨床指導者をしているという日系のパメラ・カトー博士によるものらしいのだが、スタンフォード大学の方からは全くそれが確認出来ないのが謎。なお、彼女自身は塊魂と、GTAが好きなんだそうだ。
彼女も含まれるチームの報告(PDF)によると、375人の青少年ガン患者を対象にし、ランダム化された手続きで約半数にこのゲームを提供して効果を判定すると、抗ガン剤や抗生物質の服薬率が上がり、患者自身のガンに対する知識と生活の質は向上し、なにより、治療の役に立ったという高い満足感が得られたのだという。
ゲームソフトはこちらから無料でダウンロード出来るが(2GB近いけど)、20ドル程度の寄付はしてほしいとのこと。早速DLして、やってみた感想から言えば、ゲーム自体の発想自体は、かなりありがちなものではあるが、「ミクロの決死圏」ばりのグラフィックは、そこそこの見応えがある。
はじめにやった非ホジキンリンパ腫は、抗ガン剤を乱射して、白血球やらリンパ球も一緒にやっつけまくり、ガイドに悲鳴を上げさせながら、クリアしたものの、脳腫瘍のステージでは手もなく返り討ちにあってしまった。
こんな風にあっさりやられてしまうと、ガン克服のイメージはなかなか得られないのではないかと、ちょっと心配してしまった。メインメニューにはチートという選択があったので、それを使えばいいのかも。実際のガン治療で、チートがつかえれば一番いいけどね。
HopeLabはこのゲームの経験から、鎌状赤血球性貧血、肥満症、自閉症、うつ病などにも応用を広げていく計画を立てているとのこと。ついでに、某日本人研究者の協力を得て、「ゲーム脳」対策ゲームを作るというのはいかがか。
男が利用したのは、Myexcusedabsence.com(ウェブ魚拓)が提供する診断書テンプレートによる病気休養。このサイトは、診断書をはじめとして、親族の葬式とか、裁判陪審員への任命証明書など、五種類ほどの言い訳強化テンプレートを用意してくれている。それがたったの24.95ドルだとのこと。
このMyexcusedabsence.comの作りは、どうみてもジョークサイトで、ここで本気になって、金を払ってモノを買う気になる人がいるのが不思議。ナイーブな人が、時々引っかかれば良しというところか。
勿論、本当にこんなモノを使えば違法であるのは当然。実際、今年の5月はじめ、スピード違反で摘発されたニュージャージー州の女性が、裁判所出頭を避けるためにこれを使い、ニセであることがばれて、現在処分を待っているところだとか。
実際に金を払ってあの「商品」を買った人が、確かに1人はいたことになる。もしも仮に売った側に責任を問われることがあっても、商品はあくまでジョーク、実際にそんなもの使う人がいるとは思いませんでしたな、で逃げられる計算があるように思われる。
米国には、同じようなサイトが他にも沢山あり、ニセ診断書がオークションサイトで売られることも、しばしばあるとのこと。ある調査によれば、全米の被雇用者のうち三割が仮病で休んだ経験があり、雇用者側の27%が、被雇用者を正当な根拠なしに病気を装った理由で解雇したことがあるという。
なんかあんまりストレートなので、オチのつけようがありません。<Via>
カナダ・アルバータ州エドモントン選出のマイク・レイク下院議員は、北米大陸に棲息するといわれる幻の類人猿、ビッグフットを絶滅危惧種に指定して保護するべきだという、議会請願紹介を行った。
レイク議員は、「ビッグフットの存在に関する議論は、彼らの生存が厳しい現状においては無意味なものだ。それ故に、請願者たちはビッグフット保護に有効な手段を可能にする、速やかな法的整備を要求している」と主張している。
この請願の中心人物は熱狂的なビッグフット信奉者として知られるトッド・スタンディング氏で、彼はビッグフットの存在に関する確かな証拠を持っているが、保護が実現するまでは伏せているのだと主張している。「彼らの法的保護がえられれば、私は自分の持っている証拠を公開し、彼らを神話の領域から解放する。ビッグフットは実在するのだから」。
この請願を仲介したことで、レイク議員はすぐに困惑することになった。この請願についての報道に、彼はこう意見を寄せている。「私は有権者に対する自分の責任を、常に重要なものとして受け取っている。それは、私自身の考えが彼らと一致しているかどうかとは無関係なものだ。自分の選挙区の有権者たちが合法的な請願を進めようとしているなら、それを議会に提出するのは私の義務だ」。レイク議員は議会に対して請願内容に対する意見を述べたことはなく、実際、ビッグフットの存在を信じてもいないと明かした。
カナダではサスクアッチとよばれる、ビッグフットの存在はいまだに証明されたことはないという事実は、この請願に署名した500人の人々にとっては全く問題になっていない。この請願には多くの前例があり、存在の怪しい生き物の保護を訴えるいくつもの法的手段が提案されたり、実際に法制化されてきた。例えば、ケベック州メンファマゴグ湖に住むと言われる恐竜、メンファーとか、ブリティッシュ・コロンビア州のカドボロ湾のキャディがカナダでは公的に保護されており、米加国境に位置するシャンプレイン湖のチャンプは、ニューヨーク州とバーモント州双方で公的保護されている
絶滅危惧種を保護することは、種の多様性を守るために重要ではあるが、存在が疑われる動物を守るのは、ユニコーンを荷車で運んでやるようなものだ。今まで誰も存在が確かめられていない動物を殺したり、傷つけたりしたものはいない。ドラゴンや小鬼の妖精と同じく、ビッグフットや湖の恐竜たちに、法的保護の必要はないだろう。
もしこれらの生物が発見されたら、科学者たちは出来る限りの保護手段をとるべきであろう。その日が来るまで、立法担当者はより重要なことに心を砕くべきであろう。<引用以上>
いまだ生存が証明されていない「生物」に絶滅のおそれがあるのか、という論理的な疑問がわき出る報道。おちゃらけにせず、真面目に政治家への批判的要望で結んでいるのも好感が持てますな。なお、マイク・レイク議員のウェブサイトでは、この請願仲介の「功績」について、一切述べられていない。もちろん、議会報告書には、ちゃんと項目名だけは記録されているけれど。<Link>