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さすがに売れているというだけあって、新刊文庫の棚にはこの人の本がひしめき合っている。どうも、同時多発的に多くのシリーズものを出しているらしく、差し当たってどれから読めばいいのか判らない。すでに十数巻でているシリーズから読み始めて、それがスカだったら悲惨この上ない。
そんなわけで、読みはじめる動機として、よく知っている土地の話にしようと決心。そこで「鎌倉」という名につられ、このシリーズに決めたというわけ。ちょっと立ち読みしてみれば、鎌倉だけでなく、「豊島屋」なんて固有名詞が出てくるので、古都鎌倉の話に違いないと、さらに確信を深めたのだが、鳩サブレの店が捕り物やるのかねぇと、かなり訝しんだのも事実。
読み始めてみれば、鎌倉河岸というのは江戸市中の地名で、江戸の街を作る時、鎌倉の材木座から建築資材を船で運んだためについた地名らしい。当然、豊島屋も鳩サブレの菓子屋ではなく、すでに慶長年間に創業された実在の酒屋であるそうな。
物語を構成するのは、小判などの金貨を鋳造していた金座の警護役十手者宗五郎と、その周辺の人々である。佐伯 泰英は、その時代小説のすべてを文庫本書き下ろしで発表しているらしいが、少なくともこの話ではそのスタイルを「連載小説」の形にしている。文庫本一冊で一つの大きな事件を解決しながら、章ごとに小さな事件を片付けていくというやり方である。
読者に飽きさせず、大きな流れもそれなりに描くという手法で、池波正太郎なども似たようなやり方だったと記憶している。もっとも、これほどの多作になれば、一つ一つの話はいささか水割り感覚からは逃れ得ず、私みたいに筋を追うだけの人間にはむしろその方がウザクなくていい。
連載物というスタイルの宿命か、人物や、その背景の描写に全く同じ文章が繰り返されるのだが、初めのうちは判りやすくていいなと思っていても、途中からはややウンザリ感が出てくるのも事実。まあ、私のような誤解が契機でもいいから、一つのシリーズを飽きるまで読むというのが、この人とのつきあい方なのかな、なんて思うのだった。
それにしても、このシリーズを読み始めた理由の一つに、巻数が少なめというのがあったのだが、三冊ほど読んでいるうちに、すでに十一冊ほどシリーズが膨らんでしまっているのである。読者が読むスピードよりも、早く書きためていく怒濤の筆力には、どうにも感服するしかない。
投稿者 webmaster : 2007年8月25日 22:16
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長いと言えば大菩薩峠でしょう。3年前に青空文庫で読み始めて、4分の1で時間切れ。面白いけど、時間食うので、再開するのが怖い。
投稿者 元院生 : 2007年8月26日 16:04
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