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そこで数々の実績を上げながら、人脈-政治に左右される上部の捜査方針に翻弄される。所詮は国策の駒として動く検察官の仕事自体に疑問を覚え、恩給が付く直前に退職、弁護士となった田中は、ヤクザ、総会屋、バブル紳士たちの守護神として活躍するようになる。
法と正義をよりどころに、弱者への共感をその行動原理とする(と自称する)田中なのだが、この本の面白いところは、ヤクザや怪しい政治家といえども、法の下では皆すべてが同格であるという建て前の主張というよりは、あぶく金の周辺に群がる人々や、そのおこぼれにあずかる田中自身の、豪快な金の使いっぷりの描写と言えようか。
結局、田中が守ってきた裏社会の人々は、バブル崩壊とともに没落するか、ますます深みにはまって行くことになる。そして、田中自身も古巣の検察によるでっち上げ事件によって逮捕・起訴され、実刑判決を受けることになる(現在、最高裁上告中)。でっち上げだというのは、勿論、田中自身の言い分であるが、少なくともかなり無理筋の立件だとおもえるのは事実。弁護士としての領分を越えた行為につけ込まれた、とはいえるけれど。
おそらくこの国に限ることはないと思われる、表社会と裏社会の交錯を生き生きと描いたと評価出来るとは思うのだが、気になる点が二つある。一つは、学生時代、田中が学費を稼ぐために「死体洗いのバイト」をやったと書かれていること。おそらく、人がいやがる仕事でも、生活のためにはやむを得ずにやってきた、というイメージ作りの一環として書いたのだろうが、ないものをやったというのはちょっとイカン。
もう一つは、山口組の若頭であった宅見勝が肝機能障害を抱えていた理由として、入れ墨のために「皮膚呼吸が出来ないので」といっていることである。墨を入れる時、肝炎ウィルスに感染した、というのなら判るが、皮膚呼吸を持ち出すのはちょっと。カエルじゃないんだから。
どこか納得してしまう裏情報という意味では、田中の曝露した情報も、おそらく無自覚に引用された都市伝説と構造が似ている。そんなわけで、なかなか面白く読ませては貰ったのだが、信憑性という意味では、どっと低くなった印象からは逃れ得ない。
投稿者 webmaster : 2007年9月 9日 20:54
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>「法律に触れなければ何をやってもいい」
彼の場合、検事時代に散々その逆をやっていたわけで、つまり、国策のために法の恣意的な解釈を持ち出して人を陥れることですよね。方向が違うだけでやってることは同じ。多分、自分が何故非難されなきゃならんか、全く理解していないのではないですかね。
また、彼を非難する資格がある人間がどれだけいるかってのも興味があるところ。少なくとも私の場合は、法律に触れてもばれなきゃいい、と思っておりますが(ただし、立ち小便、些細なスピード違反etcに限る)。
投稿者 登録ユーザー : 2007年9月11日 01:56
>法と正義をよりどころに、弱者への共感をその行動原理とする(と自称する)田中なのだが、この本の面白いところは、ヤクザや怪しい政治家といえども、法の下では皆すべてが同格であるという建て前の主張
「法律に触れなければ何をやってもいい」という、悪人の論理を元に自分自身を正当化しようとするオバカな本にしか読めませんでしたがね。
投稿者 よー : 2007年9月11日 00:58
B犯(累犯)収容のとある刑務所では服役者の半数近くが肝機能障害持ちです(大半がヤクザ)。何でかな~と思っていたら、酒ではなく覚せい剤の回し打ちが原因だそうで...
投稿者 tree : 2007年9月10日 09:35
まったく同じところで「あ、このサイトと同じことかいてある!」と思ってしまいました。この本、一番印象深かったのは最初威勢がよかったけど収監が近づくにつれノイローゼになっていった議員の話でした…
投稿者 ヒロト : 2007年9月 9日 23:29
>湯灌かも
「大学医学部の死体洗い」と明記してありましたので、それはないでしょう。
投稿者 登録ユーザー : 2007年9月 9日 22:52
湯灌かも
雰囲気ぜんぜん違うが。
投稿者 愛読者 : 2007年9月 9日 22:04
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