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2007年9月26日  登山は脳に悪い? [医学・科学関連, スポーツ]

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米国内科学雑誌、06年2月号掲載論文。「MRIによる高山登頂に伴う脳損傷研究」抜粋。<Link>

目的:従来、MRIを使って登山家の脳を系統的に研究した報告はほとんどなかった。我々の研究目的は登山家に起こりえる脳損傷の危険について、通常のMRIや、核磁気共鳴分光法(MRS)を用いて調べることにある。

方法:我々は酸素補給を使用せずに行われた、4つの登山プロジェクトに参加した計35人の登山家の協力を得た。内訳は、エベレスト(8848 m)登頂を行った12人の職業的登山家と1人のアマチュア登山家、アコンカグア(6959 m)登頂を行った8人のアマチュア登山家、モンブラン(4810 m)を登頂した7人のアマチュア、そしてキリマンジャロ(5895 m)を登頂した7人のアマチュアである。平均年齢は33.8才(22-46)であった。

全員が基本的な医学的検査を受け、登頂後にMRI検査を行った。20例のコントロールにもMRI検査が行われ、MRSは14人のアマチュア登山家と10例のコントロール群に対して行われた。注目した所見は、ヘマトクリット値の変化、MRI上の脳損傷<特に脳萎縮とウィルヒョウ-ロビン腔(血管周囲腔)の開大>、およびMRSによる脳代謝変化である。

結果:エベレスト登頂者13名のうち、12名に異常MRI所見が見られた。アマチュア登山家には前頭皮質下に複数の損傷部が見られ、残りの職業登山家には皮質萎縮と血管周囲腔の開大が見られたものの、明らかな損傷所見は見られなかった。

他の被験者では、アマチュア登山家の13例だけに高山関連の病変が観察された。5例には皮質下の不可逆的損傷が見られ、10例には多数の血管周囲腔開大が認められた。コントロール群では、損傷所見は認められず、MRSによる脳代謝計測ではコントロールと登山家群には差は認められなかった。

結論:我々は、高地登山によって脳損傷が引き起こされることの確証を得た。特にアマチュア登山家は、職業的登山家に比べ、脳損傷を受けるリスクが高い事が示された。<引用以上>

厳しい自然条件のもと、低酸素状態で消耗の激しい運動を続けるのだから、身体にいいはずがないのは当然ながら、MRIではっきり示されるような異常が出るというのは少々気になる。ただ、アマチュア登山家といったって(そもそもプロの登山家とは何?)、突然エベレストやキリマンジャロに登るわけもなく、日頃から登山訓練はしているはずで、その影響がどれだけあるかが知りたいところ。登頂前にMRIを撮っていないので、その辺がよく判らない。

実はちょっと前、知り合いの登山家からエベレスト登頂隊に加わらないかと、ほとんど冗談レベルで誘われたことがある。退屈しのぎになるかと、かなり真面目に参加を考えたのだが、結局のんべんだらりと仕事している方が楽だろうと思い直した。もし参加していても、ベースキャンプでブラブラする程度とはいえ、只でさえスカスカの私の脳みそに、回復不可能な損傷が加わったであろうことは、本論文からも強く示唆される所である。

それはそれとして、MRIで示されるウィルヒョウ-ロビン腔というのは判断が難しく、正常偏位だとされたり、多発脳梗塞だと言われたりして、かなり人を惑わすものである。この論文では脳萎縮の指標にしているようだが、具体的な所見がどんなものなのかが判らないので、モヤモヤ感が残るばかり。

投稿者 webmaster : 2007年9月26日 15:06

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コメント

青蔵鉄道の運転手などはどうなんでしょ?
客車は与圧されてるそうですが。

投稿者 問題児 : 2007年9月28日 03:49

うちの爺さんが40年近く前に、8000M越えの山にチャレンジしたのですが、予算の関係で寝るとき以外は酸素ボンベを使いませんでした。多分これが酸素なし登頂の走り。で無事登頂。ヒラリー卿に、「日本人、なかなかやるじゃね」と言われたとか。当時も低酸素状態の脳損傷に興味を持った人達がいて、帰国後だいぶ弄繰り回されたそうです。

爺さん、今でも元気ですが見事に禿げ上がり具合。寒冷地に短期間いても、禿げ遺伝子に影響が無いことだけは確かですねぇ。と自分の頭をみて思う今日この頃。

投稿者 ポンタ : 2007年9月27日 08:30

職業的登山家-登山を生業としている方全般でありますね。
一番解りやすいところで山岳カメラマンとか。
登山用品のモニターなどされる方も。
登山ガイドや強力(「ごうりき」って読んでね)の方も広い意味で職業登山家と定義されます。

もちろんこれだけで食べられるアルピニストとなると世界的にも数えられるほどですが。

馴染みの登山用品店の店長さんは登山用品メーカーのカタログモデルなどされています。

投稿者 小狸工房 : 2007年9月26日 20:28

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