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この展示は、第一時世界大戦で顔面に傷を負った兵士たちに対し、形成外科という新しい医療技術を創り上げ、彼らを救おうとした軍医、ハロルド・ギリス卿の功績をたたえることを主な目的にしている。
第一次大戦は、新開発された大量破壊兵器が次々と投入され、兵士の犠牲が飛躍的に増えた戦争だった。塹壕戦が続いたため、頭部、顔面を負傷することが多かったのが、形成外科の必要性が高まった理由らしい。
ギリス医師は独自の技術を次々に考案したが、その中でも大きな成功を得たのが、写真(クリックで拡大)に示したウィリアム・スプレックレイ兵士の例だという。スプレックレイはベルギー・イープルの戦いで鼻をすべて失ったが、ギリス医師はまず肋軟骨を前頭部皮下に埋め込み、皮膚を伸展させてから軟骨ごと反転させて鼻を形成した。
抗生物質も使えなかった時代に、これだけの手術を成功裏に行った技術は賞賛に値する。まあ、こうした成功例の影には、数限りない失敗例があるのかも知れないけれど。
拡大写真の右端が、手術後かなりたった後のスプレックレイ氏である。彼はギリス医師に感謝の念を表すために、自分の息子にギリスというミドルネームを付けたという。しかし、これほどの成功を得た手術ではあったが、彼の心の傷までは完全に癒すことは出来なかったらしく、晩年に至っても自分の風貌が忌まわしいものだと感じていたという。<Link:かなり衝撃的映像が多いので注意>
あくまで軍隊が運営している博物館なので、こうした展示も「自己犠牲をいとわず、祖国のために戦った勇敢な兵士をたたえる」ということが前提なんだけど、殺傷技術の進化と、その結果の悲惨を救うための技術の相克という、歴史の皮肉を見るには良い機会かも。
投稿者 webmaster : 2007年11月 5日 23:21
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トラックバック時刻: 2007年11月 6日 08:57
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トラックバック時刻: 2007年11月11日 14:23
いましばらくヨーロッパで暮らしておりまして、こちらでは日本より生々しいものを目にする機会がなんとなく多いです。
で忘れられないのが、四肢が逆に曲がっちゃった感じで、まさにクモのような出で立ちで、シャンゼリゼを逆四つん這いで歩く男、顔全体が赤いラテックスのようなもので覆われ(やけど?)、鼻の穴と片目の一部が点で存在している以外は、とっても全体がアブストラクトな形状で佇むリスボンの男、など。
どうしてそうなっちゃったのか、と共に、どうしてそこに普通にいるのか、誰かなんとかしてやれよ、とか思ったりもするのですが、元気に大都市の真ん中を闊歩しているということは、よろしきことなのかもしれませぬが。
子供の頃、傷痍軍人を街の中で見かけるたび、恐怖におののいたもので。そういうの、どっかに日本は隠しちゃってるんですかね。それとも医学が激しく進歩して、消えちゃったんですかね。
投稿者 vanilla : 2007年11月13日 11:38
日本でも、大学紛争が華やかなりし頃、警察病院の整形外科が卓抜した技術を持つようになった、と聞いたことがあります。
投稿者 スポック : 2007年11月 6日 01:45
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